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じんましん:H1抗ヒスタミン薬抵抗性慢性突発性じんましんでのフェネブルチニブ:無作為化第2相試験

Nature Medicine 27, 11 doi: 10.1038/s41591-021-01537-w

ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、FcεRIを介するマスト細胞の活性化に重要であり、慢性突発性じんましん(CSU)でのB細胞による自己抗体産生に必須である。フェネブルチニブは、経口投与可能で強力かつ選択性が高く、可逆性のあるBTK阻害剤で、CSUで効果を発揮する可能性がある。今回の二重盲検プラセボ対照第2相試験(EudraCT ID 2016-004624-35)では、抗ヒスタミン薬抵抗性CSU患者93人を無作為に分割して、8週間にわたってフェネブルチニブ50 mgを1日1回、あるいは150 mgを1日1回か200 mgを1日2回、もしくはプラセボを投与した。主要評価項目は、じんましんの直近7日間の活動性スコア合計(UAS7)の値が8週目にベースラインから変化することであった。副次評価項目は、UAS7の4週目のベースラインからの変化と、管理良好(UAS7が6以下)な患者の8週目での割合であった。IIb型自己免疫患者でのフェネブルチニブの有効性と、IgG-抗FcεRIに対する効果は、探索的評価項目であった。また安全性も評価された。主要評価項目は達成され、8週目でのUAS7の改善は用量依存的で、フェネブルチニブ200 mg 1日2回投与と150 mg 1日1回投与のグループで認められたが、フェネブルチニブ50 mg 1日1回投与グループ対プラセボ投与では認められなかった。無症候性で可逆的なグレード2および3の肝トランスアミナーゼ上昇が、フェネブルチニブ150 mg 1日1回投与グループと200 mg 1日2回投与グループで起こった(それぞれ2人の患者)。フェネブルチニブは、抗ヒスタミン薬抵抗性CSUの患者で疾患活動性を低下させ、その中には難治性のIIb型自己免疫CSUの患者も含まれていた。これらの結果は、抗ヒスタミン薬抵抗性CSUでBTK阻害が使用できる可能性を裏付けている。

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