Perspective

COVID-19:COVID-19の症状と重症度の免疫決定因子

Nature Medicine 27, 1 doi: 10.1038/s41591-020-01202-8

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染によって起こる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状は、これまで健康だった感染者では軽度から中等度だが、場合によっては、生命を脅かすような症状や、衰弱性で長引く症状が引き起こされることがある。疾患重症度の最も重要な決定因子は年齢であり、65歳以上では集中治療が必要となるリスクが最も高く、また男性は女性よりも感染しやすい。他の呼吸器ウイルス感染とは対照的に、低年齢の小児はそれほど重症にならないようである。現在、COVID-19の転帰は中等度から重度の症状の急性感染だけではなく、長期にわたって持続する症状も起こり得ることが分かってきた。このような「長期型COVID」は、急性で重篤なCOVID-19とは逆に、女性の方が男性よりも多く見られるようである。また、感染後の高炎症性疾患も、SARS-CoV-2感染後のまた別の転帰として報告されている。本稿では、COVID-19という疾患の症状や重症度の免疫学的決定因子について、現在解明されていることを論じ、これを若年者と高齢者の間、また男性と女性の間で知られている免疫系の差異や多様な症状と重症度に関連するその他の因子群と関連付ける。

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