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深層学習:皮膚疾患の鑑別診断のための深層学習システム

Nature Medicine 26, 6 doi: 10.1038/s41591-020-0842-3

皮膚疾患には19億人が罹患している。皮膚科医が不足しているため、ほとんどの症例は一般開業医によって診察されていて、診断の精度は低い。本論文では、遠隔皮膚科診療を行う17か所で得られた匿名化された1万6114症例(写真と臨床データ)を用いて開発した、皮膚疾患の鑑別診断を提供する深層学習システム(DLS)を示す。このDLSは、一般的な26の皮膚疾患(プライマリーケアで見られた症例の80%が含まれる)を見分け、同時に419の皮膚疾患についての二次的予測も行った。検証症例963例については、3人の認定皮膚科医がローテーション方式で参照標準を決めており、DLSの成績は他の6人の皮膚科医に劣ることがなく、また6人のプライマリーケア医(PCP)や6人のナース・プラクティショナー(上級看護職;NP)よりも優れていた(トップ1精度;DLS 0.66、皮膚科医0.63、PCP 0.44、NP 0.40)。これらの結果は、皮膚疾患の診断ではDLSが総合診療医を支援できる可能性を明らかにしている。

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