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リスク予測:多遺伝子性リスクスコアと臨床リスクスコアが心血管代謝疾患やよく見られるがんの発症年齢と予測に及ぼす影響

Nature Medicine 26, 4 doi: 10.1038/s41591-020-0800-0

多遺伝子性リスクスコア(PRS)は、よく見られる疾患に対する感受性の予測に役立つと見込まれている。我々は今回、5つの一般的な疾患、すなわち冠動脈性心疾患、2型糖尿病、心房細動、乳がん、前立腺がんの臨床リスク予測にPRSを付加することの価値がどのくらいかを推定した。推定は、大規模なバイオバンクデータ(FinnGen;n=13万5300)と臨床リスク因子についてのFINRISK研究を用いて、これら5種の疾患に対するゲノム規模のPRSを検証し、多様なPRSレベルでの生涯リスクへの影響、さらにPRSが疾患発症および予測に及ぼす影響を、臨床リスクスコアと共に評価した。PRSが高い場合は、平均的なPRSを持つ場合と比較すると、生涯リスクが21~38%高くなり、疾患発症が4~9年早くなった。PRSは、2型糖尿病、心房細動、乳がん、前立腺がんで、年齢と性別に関して予測モデルの判別能を向上させ、2型糖尿病、乳がん、前立腺がんでは臨床リスクスコアに関して判別能を向上させた。PRSは、これら全ての疾患で臨床閾値について再分類を改善し、早発性冠動脈性心疾患、心房細動、前立腺がんでのNRI(net reclassification improvement)は最大になった。本研究は、臨床疾患予測にPRSの持つ付加価値を実証している。臨床環境で多遺伝子性リスク情報を層別化スクリーニング、あるいは生活様式の指導や医学的介入に実際に適用することは、さらなる研究で明確にすべきであろう。

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