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住血吸虫症:新規な薬剤、ワクチンや診断法の開発のための管理されたヒトマンソン住血吸虫症感染モデル

Nature Medicine 26, 3 doi: 10.1038/s41591-020-0759-x

住血吸虫症の治療は、プラジカンテルという単剤に頼っているが、この薬剤は患者数が非常に増えている地域での伝播を管理するには効果が不十分であり、新しい薬剤やワクチンが早急に必要とされている。住血吸虫症の実験的ヒトモデルは、このような製剤の開発を加速させると考えられる。我々は、ライデン大学医療センター(オランダ)で、卵を産まない雄のマンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)セルカリアが寄生している17名のボランティアでの用量漸増臨床安全性試験(clinicaltrials.gov;NCT02755324)を行った。主要評価項目は、有害事象と感染性であった。17名のボランティア中の9名で、急性住血吸虫症症候群に関連する有害事象が用量と関連して増加することが明らかになった。全部で5名のボランティア(高用量群の3名全員と中用量群の11名中の2名)から重度の有害事象が報告された。住血吸虫由来の陽極側に移動する血中抗原(CAA)は、主要感染評価項目のバイオマーカーであって、曝露後3〜10週にボランティアの82%でピークに達した。ボランティア全員で、IgMとIgG1のセロコンバージョンおよびCD4+ T細胞による住血吸虫特異的サイトカイン産生が見られた。ボランティア全員が、投与されたプラジカンテルにより、曝露後12週間目に治癒した。20匹のマンソン住血吸虫セルカリアによる感染は、ボランティアの18%で重度の有害事象を引き起こし高い感染率につながった。この感染モデルは、住血吸虫症の治療や予防のための迅速な製品開発への道を開く。

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