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がん:ミッドカインは黒色腫の微小環境を免疫寛容原性で免疫抵抗性の状態へ再構築する

Nature Medicine 26, 12 doi: 10.1038/s41591-020-1073-3

黒色腫のような侵襲性の高いがんについての未解決な問題は、悪性細胞が免疫系を腫瘍形成促進的に働くように変化させる仕組みである。我々は、ミッドカイン(MDK)は黒色腫が分泌する因子であり、炎症を起こしているが免疫を回避する微小環境を誘導し、患者の予後不良や免疫チェックポイント阻害剤に対する抵抗性を規定していることを突き止めた。機序としては、MDKは黒色腫細胞のトランスクリプトームを制御していて、NF-κBの活性化とインターフェロン関連経路の抑制を協調させていることが明らかになった。MDKによって調整されたこのようなセクレトームによって、マクロファージはCD8+ T細胞の機能不全を促す寛容性の表現型へ教育された。対照的に、MDKを遺伝的操作の標的とすると、黒色腫細胞は抗PD-1/抗PD-L1治療に感受性を示すようになった。これらの知見のトランスレーショナル研究への適合可能性を強く示しているのは、互いに無関係な患者コホートで、MDKレベルが非常に低い腫瘍の発現プロファイルに、免疫チェックポイント阻害剤に対する良好な反応性の重要な指標が多く認められたことである。まとめると、これらのデータは、MDKが侵襲性の高い黒色腫で免疫抑制を維持するオートクリンシグナルとパラクリンシグナルの内在的なモジュレーターとして作用していることを明らかにしている。

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