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神経変性疾患:ヒトとマウスの単一核トランスクリプトミクスにより明らかになった、アルツハイマー病でのTREM2依存的な、また非依存的な細胞応答

Nature Medicine 26, 1 doi: 10.1038/s41591-019-0695-9

グリアは、アルツハイマー病(AD)の発生病理に関与しているとされてきた。ADのマウスモデルでは、ミクログリア受容体であるTREM2(triggering receptor expressed on myeloid cells 2)のバリアントはADのリスクを高め、またDAM(disease-associated microglia)の活性化は、TREM2に依存している。我々は、単一核RNA塩基配列解読によって、5XFADマウスおよびヒトのADでのADの病理学的性質とTREM2に関連する遺伝子発現変化を調べた。Trem2依存性のDAMの存在が確認され、これまで未発見のSerpina3n+C4b+反応性オリゴデンドロサイトの集団がマウスで見つかった。ヒトのADでは、著しく異なるグリア表現型が明らかになった。ミクログリアのシグネチャーは、末梢神経損傷時にIRF8によって誘導される反応性ミクログリアとよく似ていた。オリゴデンドロサイトのシグネチャーは、神経細胞変性に対する軸索のミエリン形成や代謝適応が障害されていることを示唆するものであった。アストロサイトのプロファイルは、神経細胞との代謝の協調が減弱していることを示していた。特に、TREM2-R47HやTREM2-R62Hキャリアーでは、ミクログリアの反応性表現型が非キャリアーよりも明らかではなかった。このことは、顕著な種特異的相違があるにもかかわらず、マウスとヒトのADではともにTREM2が必要であることを示している。

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