Letter

神経プロテーゼ:下肢切断者での感覚フィードバックの復活は歩行速度、代謝コストや幻肢痛を改善する

Nature Medicine 25, 9 doi: 10.1038/s41591-019-0567-3

従来の義足は動きや地面との相互作用についての感覚情報を大腿切断者に伝えないため、使用者の義足への信頼感や歩行速度が低下し、これが精神的および身体的な高度の疲労に結び付く。残存する下肢から脳への生理学的フィードバックがないことは、失った下肢からの幻肢痛発生の一因ともなっている。今回、神経感覚フィードバックの復活によってこれらの問題に対処できるかどうかを明らかにするために、残存する脛骨神経に4つの神経内刺激電極を埋め込んだ2人の大腿切断者を対象として検討を行った(ClinicalTrials.gov identifier;NCT03350061)。参加者の評価には、足部と膝にセンサーを装着した義足から構成される神経プロテーゼ装置を用いた。これらのセンサーは神経刺激を促進し、これが膝の動きや足裏が接地する感覚を生じさせる。2人の参加者は共に、神経感覚フィードバックがある場合は、刺激のない試験の場合に比べて歩行速度および自己申告による義足への信頼感が向上する一方で、精神的および身体的な疲労が低下したことが分かった。さらに、参加者では神経感覚フィードバックにより幻肢痛の軽減が見られた。これらの概念実証症例から得られた結果は、感覚フィードバックを復活させる神経プロテーゼの臨床的有用性を調べるためにより大規模な集団研究を行う理論的根拠を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度