Article

多発性硬化症:GM-CSFとCXCR4は多発性硬化症でのヘルパーT細胞のシグネチャーを特徴付ける

Nature Medicine 25, 8 doi: 10.1038/s41591-019-0521-4

サイトカインの調節異常は、多発性硬化症(MS)のような慢性炎症性疾患の中心的な促進因子である。今回我々は、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)患者で細胞およびサイトカインの分極化プロファイルの特徴を決定するために高次元単一細胞マスサイトメトリー(CyTOF)による探索を行った。ニューラルネットワークをベースとする複数の表現学習アルゴリスムを組み合わせて用いることで、MS患者で増殖したヘルパーT細胞サブセットが見つかり、このサブセットの特徴は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)とC-X-Cケモカイン受容体4型(CXCR4)の発現であった。末梢血でのVLA4(very late antigen 4)発現も含むこの細胞シグネチャーは、再発寛解型多発性硬化症患者の中枢神経系で多く見られた。無関係の検証コホートでも、この細胞集団は、他の炎症性および非炎症性疾患の患者と比べた場合、MS患者で増加していることが確認された。また、効果的な疾患修飾治療により減少する集団も見つかり、今回明らかになったT細胞プロファイルはMSでの特異的な治療標的であると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度