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ジカ熱:ZIKVに曝露された小児の前向きコホートで生後2年目に観察された小児期神経発達の遅れと感覚神経の変化

Nature Medicine 25, 8 doi: 10.1038/s41591-019-0496-1

今回我々は、2015年から2016年にかけてリオデジャネイロで発生したジカウイルス(ZIKV)感染症流行の際に、妊娠中の母親からのZIKV感染がPCRで確認され、その時点から追跡観察された216人の幼児での神経発達の転帰について報告する。神経発達について、146人の小児はベイリー乳児発達検査第三版(Bayley-III;認知、言語、運動領域)により、残りの70人は神経発達質問紙と神経学的検査により評価した。また、総合的な視力検査(n = 137)と聴覚評価(n = 114)も実施した。平均以下の神経発達や、視覚もしくは聴覚の異常評価値は、生後7から月から32か月の小児の31.5%で認められた。Bayley-IIIによる評価を受けた小児のうち、12%が少なくとも1つの領域で−2 s.d.を下回り(スコア < 70;100 ± 2 s.d.のスコアが範囲)、28%がいずれかの領域で−1から−2 s.d.の間のスコアを示した(スコア < 85〜70)。最も影響が大きかったのは言語機能で、146人の小児のうち、35%が平均を下回った。神経発達転帰の改善は女児、満期分娩児、視覚検査が正常だった小児および妊娠後期に母子感染した小児で見られた(P = 0.01)。生後2年目では、小頭症の8人のうち2人の小児で正常な神経発達を伴う小頭症の回復、別の2人の小児で二次性小頭症の発症、および以前は健康だった3人の小児で自閉症スペクトラム障害の発症が認められた。

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