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がん:エンハンサーのシグネチャーによる非機能性膵神経内分泌腫瘍の層別化と転帰の予測

Nature Medicine 25, 8 doi: 10.1038/s41591-019-0493-4

膵神経内分泌腫瘍(PNET)のほとんどはホルモンを過剰産生しないため、「非機能性」だと考えられている。PNETの臨床的挙動は非常に多様で、遠隔転移は最終的に致死となるため、生物学的分類は治療の指針となると思われる。我々は、エンハンサーマップを用いて遺伝子調節プログラムを推測し、非機能性PNETが2つの主要サブタイプに分類され、それらのエピゲノムとトランスクリプトームは膵島のαおよびβ細胞に部分的に似ていることを見いだした。転写因子のARXとPDX1はそれぞれ、正常なαおよびβ細胞を指定する転写因子だが、142の非機能性PNETの84%がどちらかの因子を発現していて、両方を発現している場合もあった。103の症例中で遠隔再発が起きたのは、ARX+PDX1腫瘍患者にほぼ限られていて、さらにこのサブタイプ内ではテロメラーゼ非依存性テロメア伸長が見られる場合だった。これらの著しく異なる転帰は、類似した臨床初見や組織像からは考えにくく、また1つのコホートでは、MEN1変異とは無関係に起こった。分子レベルのこのロバストな層別化は、非機能性PNETの細胞系譜相関因子についての手掛かりをもたらし、疾病経過を正確に予測し、術後の臨床判断に情報を与えるものとなる。

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