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免疫:母体由来のIgAは早産児の壊死性腸炎発症を防止する

Nature Medicine 25, 7 doi: 10.1038/s41591-019-0480-9

新生児は母乳中に分泌される抗体によって細菌の定着から守られている。壊死性腸炎(NEC)は、罹患率および死亡率の高い早産新生児の疾患で、腸内細菌によって引き起こされる炎症性腸疾患と関連している。NECの発症は母乳哺育されている新生児ではかなり低いが、こうした利点の基盤となっている機構は明らかではない。本論文では、母体由来の免疫グロブリンA(IgA)がNECを防止する重要な因子であることを示す。早産児の糞便中細菌に結合しているIgAの解析から、母乳は生後1か月間はIgAの主な供給源であり、IgAに結合した細菌の相対的な低下はNECの発病と関連していることが示された。IgAと結合している細菌と結合していない細菌の塩基配列解読結果から、NECは細菌相のIgAと結合していない分画での腸内細菌科細菌の優勢度上昇と関連していることが明らかになった。さらに、IgAがマウスモデルでのNEC発症防止に重要であり、このモデルでは、IgAを欠損する母親が育てた仔は、母乳を与えられた場合でも罹病しやすいことが確認された。我々の結果は、母体由来のIgAは早産新生児の宿主–細菌相の関係性を形作り、母乳中のIgAはNECの防止に重要かつ必須の因子であることを明らかにしている。

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