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サラセミア:輸血依存性βサラセミアの成人および小児の患者に対する骨内造血幹細胞遺伝子治療

Nature Medicine 25, 2 doi: 10.1038/s41591-018-0301-6

βサラセミアはβグロビン遺伝子の変異が原因で、変異によってヘモグロビン産生が減少したり(β+)、あるいは産生が見られなくなったりする(β0)。患者の平均余命は最近延びているが、輸血依存性サラセミア(TDT)では常習的な輸血が必要であり、また、鉄キレート療法により生活の質が損なわれる。同種異系の造血幹細胞(HSC)移植は根治的治療であり、サラセミアについての無病生存率は80%を超える。しかし、HSC移植を利用できる患者は少なく、またHSC移植は病的状態、拒絶反応、移植片対宿主病と切り離せない。βグロビンを発現するように修飾した自己HSCによる遺伝子治療は有望な治療選択肢である。我々は、β0変異もしくは重篤なβ+変異を持つ成人3人と小児6人に対して、レンチウイルスベクターGLOBEを導入したHSCを骨内投与する第1/2相試験(NCT02453477)を行った。造血の迅速な回復が達成され、これは多クローン性で複数の細胞系譜を持つベクター標識細胞の定着によるもので、1年後の時点で造血前駆細胞での中央値は37.5%(12.6~76.4%の範囲)であり、また、赤血球前駆細胞での細胞当たりのベクターコピー数(VCN)は0.58(0.10~1.97の範囲)で、優勢なクローンは見られなかった。成人では輸血の必要性が低下した。評価が可能な4人の小児参加者のうち3人が遺伝子治療後に輸血を中止し、最後の追跡調査でも輸血への依存性は見られなかった。患者の年齢が若いことや増殖中の造血細胞中により高いVCNが持続することが、より良い転帰に関連している。

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