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画像化法:コラーゲンのマルチスペクトル光音響トモグラフィーによる検出は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの画像化バイオマーカーとなる

Nature Medicine 25, 12 doi: 10.1038/s41591-019-0669-y

病気の進行や治療応答性をモニターするためのバイオマーカーは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーのような筋疾患には存在しない。マルチスペクトル光音響トモグラフィー(MSOT)を用いた非侵襲的なin vivo分子画像化法では、パルスレーザー光を用いて音圧波が誘導され、内在性の発色団が可視化される。今回我々は、680〜1100 nmの範囲の近赤外および拡張近赤外領域の光の照射によってコラーゲン含量の可視化と定量を可能にするMSOTの応用について報告する。我々はまず、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの大動物モデルであるブタについての長期的研究で、組織繊維化の非侵襲的定量へのこの方法の適用が実現可能であることを実証し、次いで小児患者にこの方法を適用した。骨格筋でのMSOTによるコラーゲン含量測定値は、患者の機能的状態と非常によく相関していて、核磁気共鳴画像化法と比べると、分子的特徴について補足的な情報が得られた。この研究は、筋疾患で新たに開発された治療法の実行とモニタリングに使える、非侵襲的で年齢非依存的なバイオマーカーとしてのMSOT画像化法の能力をはっきり示している。

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