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ゲノム編集ベビーの誕生後も規制当局の対応は依然として現状に追いついていない

Nature Medicine 25, 11 doi: 10.1038/s41591-019-0641-x

中国の研究者が双子のゲノム編集ベビーの誕生を発表してから1年がたつ。当時、ゲノム編集ベビーを誕生させることに対する既存の国際的モラトリアムはなく、こうした遺伝子編集を防止するために、主な2つの国際機構を含めたさまざまな組織が、ヒトゲノム編集の規制に関する新たな枠組み策定を迅速に開始した。10カ国から代表者を集めた委員会の最終報告書は2020年春に公表されることになっている。一方、臨床研究での遺伝子編集の禁止が直ちに必要かどうかについても激しい議論が起こり、WHOが招集した諮問委員会は、より幅広い視野で統制と監視の世界基準策定に臨もうとしていて、こちらの作業部会の最終報告書は2020年夏に公表される予定である。しかし、規制に関しては、各国政府などにもっと迅速な動きを要求する声も多い。ゲノム編集ベビーを誕生させたいと考えている研究者は依然として存在していて、ロシアの研究者の1人は2019年6月にゲノム編集ベビーを誕生させたいという考えを表明しており、国際的な規制に反しても実行しようと考えているのは彼だけではないとの見方が強い。

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