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ディスバイオーシス:新生仔マウスの腸マイクロバイオームのディスバイオーシス防止は遅発型敗血症を予防する

Nature Medicine 25, 11 doi: 10.1038/s41591-019-0640-y

遅発型敗血症(LOS)は、早産児の腸内共生微生物が腸から全身へ広がった結果として起こると考えられている。LOS予防のためのプロバイオティクスの臨床使用は、有効性が限られているためにばらつきがあり、このことは、腸マイクロバイオームの発達と新生児ディスバイオーシス、LOSの間の関係性の理解が不十分であることを示している。我々はLOSのモデルを用いて、発達中のマイクロバイオームの構成成分がLOS防止に必要かつ十分であることを見いだした。母親が抗生物質に曝露され、乳酸桿菌の一種であるLactobacillus murinusが根絶されている場合は病気が増悪するが、Lactobacillus murinusの大量移植は疾患を防止した。乳酸桿菌種の一部(全てではない)の予防的投与は大腸菌の投与と同様に疾患を防御した。腸内酸素レベルは菌の定着動態の主要な推進因子だったが、その作用機序は成体マウスの場合とは異なっていた。これらの結果は、新生仔のディスバイオーシスとLOSの間のつながりを確証したもので、マイクロバイオームの一次伝播を調節して疾患を防止するようなプロバイオティクスの合理的選択の基盤を示している。

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