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がん治療:HLAクラスIの遺伝子型の進化的分岐はがん免疫療法の効力に影響する

Nature Medicine 25, 11 doi: 10.1038/s41591-019-0639-4

多型性が非常に高いヒト白血球抗原クラスI(HLA-I)遺伝子の機能的多様性は、感染症とがんの両方で免疫学的制御の成功の基盤である。多様な対立遺伝子に利点があるとする仮説は、より多様性の高い配列を含む2つの対立遺伝子を持つHLA-Iは、より多様性の高い免疫ペプチドームを提示することができるとしている。しかし、HLA-I対立遺伝子間の配列多様性(HLA-Iの進化の数量化可能な尺度である)の、がん免疫チェックポイント阻害剤(ICI)治療の効力に対する影響はまだ知られていない。本研究では、ICI治療を受けたがん患者の生殖細胞系列におけるHLA-I進化的多様性(HED)を、それぞれの患者の遺伝子型のHLA-I対立遺伝子間の物理化学的配列の多様性を定量化することによって決定した。HEDは、ICI治療後の生存の強力な決定因子だった。HLA-Iが完全にヘテロ接合の患者間でさえ、上位四分位数に入るHEDを持つ患者は、HEDの低い患者よりもICIに対してよりよく応答する。さらにHEDは、腫瘍の多様性、ウイルスおよび自己の免疫ペプチドーム、腫瘍内T細胞受容体のクローン性に強く影響する。腫瘍変異負荷と同様に、HEDは主要組織適合遺伝子複合体-ペプチド複合体での多様性の重要な指標であり、ICIの効力を左右する。これらのデータは、多様なHLA対立遺伝子の利点と免疫療法の効果とを結び付け、またICIへの応答がHLAを介する免疫の進化した効力にどのように依存しているかを明らかにしている。

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