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プロバイオティクス:集中治療室入室患者で起こったプロバイオティクスカプセルから血液への細菌の移行を示すゲノム解析および疫学的解析による証拠

Nature Medicine 25, 11 doi: 10.1038/s41591-019-0626-9

プロバイオティクスは多くの効能が予想されているため、入院患者に日常的に投与されているが、そうした利点を上回る可能性のある副作用とも関係付けられている。特に憂慮すべきことは、プロバイオティクス株が菌血症を引き起こし得ることだが、血液から単離された株と投与されたプロバイオティクスとの間の系統的な関連性についての直接的証拠はない。本論文では、プロバイオティクス製剤を投与された集中治療室(ICU)入室患者は、投与されていない患者と比べると乳酸桿菌(Lactobacillus)による菌血症のリスクが著しく高いことを報告し、プロバイオティクスが血流へ直接クローナルな移行をしていることを裏付けるゲノムデータを示す。全ゲノムを対象とする系統解析によって、投与された患者の血液から単離された乳酸桿菌類は、関連のプロバイオティクス製剤から単離された乳酸桿菌と系統学的に分離できないことが明らかになった。実際、血液由来単離株間に見られるごく小さな遺伝的多様性は、プロバイオティクス製剤で認められた既存の遺伝的不均一性と酷似していた。また、血液由来単離株の一部はde novo変異も持っており、1名の患者では抗生物質抵抗性をもたらす非同義置換SNPも見つかった。我々の知見は、プロバイオティクス株は菌血症を直接引き起こしかねない上に、ICU入室患者体内で適応進化する可能性があることを裏付けている。

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