Editorial

データへのアクセスを容易にする

Nature Medicine 24, 9 doi: 10.1038/s41591-018-0188-2

研究データの共有はNatureおよびNature関連誌への掲載の条件とされており、欧米では研究費配分機関からの助成金を受ける際にも義務付けられるようになりつつある。データ共有は実験結果の再現に必須であり、結果が再現できれば、その論文の信頼性が高まることになる。

 ここ10年ほどの間に、データの透明性とアクセス可能性を高めることで、実験結果の再現性の改善を求める声が急速に高まった。そのため我々は2016年から、掲載論文の基礎データについて、著者以外からの利用可能性と利用方法を示したデータ利用可能性ステートメント(data availability statement:DAS)をonline methods section中に記載することを義務化している。今回、データの見つけやすさ(discoverability)をさらに向上させるために、DASを論文中の独立したセクションとし、制限なしで全ての読者が利用できるようにした。こういう扱いをすることで、DASがさらに詳細となり、データの透明性が高まるだけでなく、データの所在やアクセスの方法についての情報が容易に得られるようになると我々は考えている。

 著者が自身のデータの透明性を維持し、共有化が進めば、科学全体が利益を受ける。今回我々がDASに加える変更は、読者のデータ共有情報に関する意識を高めることになり、それが掲載論文のソースデータの見つけやすさと、さらに速いアクセスにつながると期待される。

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