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がん治療:転移性胃がんでのPD-1阻害に対する臨床応答の分子レベルでの包括的特性解析

Nature Medicine 24, 9 doi: 10.1038/s41591-018-0101-z

PD-1(programmed cell death 1)を標的とする治療が、転移性胃がん(mGC)患者の一部で有効であることは複数の臨床研究で裏付けられている。我々はこの応答の決定要因を突き止めるために、前向き第2相臨床試験で救済療法としてペムブロリズマブ投与を受けた61人のmGC患者から提供された組織と循環中腫瘍DNA(ctDNA)の分子的特性解析を行った。マイクロサテライト不安定性が高い腫瘍、もしくはエプスタイン・バーウイルス陽性の腫瘍(この2つの特徴は相互排他的である)を持つ患者では、ペムブロリズマブに対して顕著な応答が観察された〔マイクロサテライト不安定性の高いmGCでは全奏功率(ORR) = 85.7%、エプスタイン・バーウイルス陽性のmGCではORR = 100%〕。PD-L1(programmed death-ligand 1)のCPS(combined positive score)が陽性だった55人の患者(CPSカットオフ値 ≥ 1%)では、PD-L1(+)胃がんでのORRは、PD-L1(−)腫瘍に比べて大幅に高かった(50.0% vs 0.0%、P値 < 0.001)。投与後6週時のctDNAレベルの変化は応答と無増悪生存率を予測しており、ctDNAの減少は転帰改善と関連していた。今回の知見は、mGC患者でのペムブロリズマブ応答に関連した分子的特性についての手掛かりをもたらすもので、PD-1阻害の有効性が高いと思われる患者の選択に役立つ可能性のあるバイオマーカーを明らかにしている。

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