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白血病:T細胞急性リンパ芽球性白血病で起こるストレス応答装置のがん遺伝子による乗っ取り

Nature Medicine 24, 8 doi: 10.1038/s41591-018-0105-8

細胞の形質転換は、多数の生物学的過程の広範囲にわたる再構築を伴い、タンパク質毒性ストレスなどのさまざまなタイプの細胞ストレスの増強につながる。がん細胞は、自身の生存をストレス緩和経路に大きく依存しているが、発がん性ストレス応答の転写開始および維持の基盤となる機序は明らかになっていない。今回我々は、T細胞急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)では、HSF1(heat shock transcription factor 1)およびその下流にある熱ショック応答仲介因子の発現が転写段階で増大していることを示す。Hsf1除去は、ヒトT-ALLの増殖を抑制し、T-ALLのマウスモデルで白血病を根絶したが、正常な造血は影響を受けなかった。HSF1はコンパクトな転写プログラムを駆動しており、HSF1の直接標的の中には、HSF1のT-ALLでの非常に重要な役割を仲介している特定のシャペロン群やコシャペロンが含まれる。我々は、T-ALLの主要ながん遺伝子であるNOTCH1が、HSF1およびその下流のエフェクターの発現の誘導によって、細胞ストレス応答装置を乗っ取ることを明らかにした。NOTCH1シグナル伝達の状態は、シャペロン/コシャペロン複合体のレベルを制御し、T-ALL患者試料のHSP90阻害に対する応答性を予測する。我々のデータは、がん遺伝子および非がん遺伝子の依存(addiction)仲介因子の間の一体化されたクロストークの存在を実証するもので、熱ショック応答経路の非常に重要な交点を明らかにしている。これは治療標的とすることが可能と思われる。

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