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がん治療:PD-1阻害による治療を受けた非小細胞肺がんで見られる、転写的および機能的に異なるPD-1+ CD8+ T細胞プールは予測能を持つ

Nature Medicine 24, 7 doi: 10.1038/s41591-018-0057-z

マウスの慢性ウイルス感染モデルからは、PD-1受容体の発現状況の違いを特徴とするCD8+ T細胞サブセット群は疲弊状態とPD-1阻害による再活性化能力がさまざまであることを示唆する証拠が得られている。しかし、ヒトがんに存在するT細胞も同様に、PD-1発現レベルに基づいてさまざまな疲弊状態となるのかどうかは分かっていない。我々は、非小細胞肺がん患者に由来し、PD-1が高発現(PD-1T)、中程度発現(PD-1N)および無発現(PD-1)の腫瘍内CD8+ Tリンパ球集団について、転写、代謝、および機能に関するシグネチャーを比較した。PD-1T細胞は、転写的また代謝的プロファイルがPD-1NおよびPD-1リンパ球と顕著に異なっているだけでなく、本来的に高い腫瘍認識能力を示した。さらに、PD-1Tリンパ球は典型的なエフェクターサイトカインの産生が障害されている一方で、3次リンパ構造への免疫細胞動員に関わるCXCL13を産生していた。PD-1T細胞の存在は、PD-1阻害治療を受けた非小細胞肺がん患者の少数コホートで奏功と生存の両方について強い予測能を示した。ヒトがんに存在する腫瘍応答性のPD-1強陽性リンパ球は、慢性感染で見られる状態と部分的にしか似ておらず、他と異なるその特性の解析は治療介入に役立つ可能性がある。

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