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がん治療:がんの脆弱性を利用する酸化的リン酸化反応阻害剤

Nature Medicine 24, 7 doi: 10.1038/s41591-018-0052-4

代謝の再プログラム化は新たに分かってきた腫瘍の生物学的特徴であって、これを利用する腫瘍薬の開発が見込まれるため、盛んに研究が進められている。解糖系の標的化は広く調べられてきたが、ミトコンドリアの酸化的リン酸化(OXPHOS)に対する薬の影響はまだほとんど調べられていない。その一因は、腫瘍がOXPHOSを必須とするような条件がまだ十分に解明されていないことである。本研究では、ミトコンドリア電子伝達鎖の複合体Iに対する臨床グレードの小分子阻害剤IACS-010759の発見について報告する。IACS-010759の投与は、OXPHOSに依存する脳腫瘍や急性骨髄性白血病(AML)のモデルで増殖をロバストに阻害し、アポトーシスを誘導した。これはおそらく、エネルギー枯渇とアスパラギン産生低下の組み合わせによってヌクレオチド生合成が障害されたためである。脳腫瘍およびAMLのモデルでは、耐容量のIACS-010759の投与によりin vivoで腫瘍増殖が強力に阻害された。IACS-010759は現在、再発性/難治性のAMLおよび固形腫瘍での臨床第I相試験において評価が進行中である。

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