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免疫:HIVワクチン候補によるCD14+単球での低酸素状態とインフラマソームの活性化はSIVmac251感染リスクの低下と関連する

Nature Medicine 24, 6 doi: 10.1038/s41591-018-0025-7

さまざまなHIVワクチン候補によって誘導される自然免疫応答と適応免疫応答の質的な違いは、これまで十分に調べられてこなかった。我々は、ALVAC(Aventis Pasteur live recombinant canarypox vector)-SIV、DNA-SIVおよびAd26-SIVワクチンをプライムモダリティーとし、さらにALVAC-SIV+gp120タンパク質による2回のブーストを行って、アカゲザルでのSIVmac251感染リスクを低下させることが可能かどうかを検証した。その結果、DNAとALVACをプライムとする投与法は有効だが、Ad26によるプライムは有効ではないことが分かった。CD14+CD16単球と腸へホーミングするCCR5陰性CD4+2型ヘルパーT(TH2)細胞での低酸素状態とインフラマソームの活性化、およびV2領域に対する抗体が、SIVmac251感染リスクの低下と相関していた。一方、CD16+単球でのSTAT3の活性化は、ウイルス感染リスクの上昇と関連していた。Ad26をプライムとする投与法は、リンパ節へのCX3CR1+CD163+マクロファージ集積や、腸や肺への長寿命のCD4+ TH17細胞の集積を誘導した。今回の結果は、ワクチンによるプライミングの後に続いて起こる単球サブセットの選択的な活動が長期的な免疫に影響することを示しており、CD14+自然免疫系単球とSIVmac251感染リスクの低下との予想外の関連を明らかにしている。

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