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結核治療:薬剤感受性肺結核の投薬期間を短縮した治療計画についての患者レベルでのプール解析

Nature Medicine 24, 11 doi: 10.1038/s41591-018-0224-2

結核による死亡者数は、他のどんな感染症よりも多い。4か月間にわたる治療計画を試験した3つの重要なピボタル試験は、非劣性マージンには至らなかったが、参加者の約5分の4は治癒した。我々は、患者レベルデータのプール解析と外部検証により、4か月間の治療に適した患者集団を突き止め、治療が困難な表現型を決定し、アドヒアランスや投薬戦略が転帰に及ぼす影響の評価を行った。解析に含まれた3405人では、ベースラインの塗抹検査グレードが2+未満に対して3+であること、HIVの血清反応が陽性であること、またアドヒアランスが90%以下であることが、転帰不良の重要なリスク要因だった。4か月間の治療は、喀痰塗沫検査でのグレードが2+未満あるいは非空洞性病変のために微小病変と分けられた患者では、非劣性だった。治療困難という表現型は塗沫検査での高いグレードや空洞を有することによって規定され、完治には6か月を超える治療期間が必要となる可能性がある。転帰を改善するためには、治療の継続期間を選択可能とし、現在世界中で使用されている「画一的な」治療に代わって、同じような特徴を持った患者集団をひとまとめにして対応する「層別化医療」の手法を考慮すべきであろう。

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