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ミトコンドリア病:MitoTALENはヘテロプラスミーが見られるmtDNA変異マウスモデルで変異型mtDNA量を減らしtRNAAlaレベルを回復する

Nature Medicine 24, 11 doi: 10.1038/s41591-018-0166-8

ミトコンドリアDNA(mtDNA)の変異は複数の代謝疾患の原因となっており、このような疾患には筋肉や中枢神経系が関わっていることが多い。mtDNAは酸化的リン酸化に非常に重要な役割を担っているため、mtDNAの病因となる変異の大半ではヘテロプラスミーが見られ、変異型分子と野生型分子とが共存している。我々はヘテロプラスミーを引き起こすmtDNA変異を持つマウスモデルを用いて、ミトコンドリアを標的とするTALEN(mitoTALEN)が、筋肉と心臓で変異型mtDNA量を減らすことができるかどうかを調べた。AAV9-mitoTALENは、筋肉内注射、静脈内注射、および腹腔内注射により投与された。mitoTALENは筋肉と心臓に効率よく導入され、変異型mtDNAのロバストな減少が見られ、この状態は長期間にわたって安定していた。分子レベルの異常、すなわち転移RNAAlaのレベル低下は、この治療によって回復した。これらの結果は、mitoTALENを症状が現れている組織で発現させると、疾患に関連した表現型を元に戻せることを示している。

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