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遺伝子治療:治療のためにin uteroでCRISPRを介して行われる代謝関連遺伝子編集

Nature Medicine 24, 10 doi: 10.1038/s41591-018-0184-6

in uteroでの遺伝子編集は、出生前あるいは出生直後にかなりの罹患率と死亡率をもたらす遺伝的疾患を出生前に治療できる可能性がある。我々は、ウイルスベクターを使ってCRISPR–Cas9、つまりBE3(base editor 3)をin uteroで送達し、野生型マウスではPcsk9の、また遺伝性高チロシン血症1型のマウスモデルではHpdの治療目的での修飾を試み、評価を行った。どちらのモデルでも、編集を受けた細胞は出生後に長期にわたって存続することが観察され、in uteroでPcsk9を標的として処理を行った後にはPCSK9とコレステロールの血漿中レベルが低下し、in uteroでHpdを標的として処理を行った後には遺伝性高チロシン血症1型の致死表現型が救済された。この概念実証実験の結果は、出生前に効率的な遺伝子編集が可能であることを明らかにしており、今回選択された先天性および遺伝性疾患の新しい治療法候補を示している。

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