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肥満:GFRALはGDF15の受容体であり、GDF15の抗肥満作用に必要である

Nature Medicine 23, 10 doi: 10.1038/nm.4394

GDF15(growth differentiation factor 15:別名MIC-1)はTGF-βスーパーファミリーの遠縁のメンバーであり、ヒトと齧歯類の体重調節に関連付けられている。しかし、GDF15の同族受容体はまだ知られていない。本論文では、GDF15がGFRAL(GDNF family receptor α-like)に高い親和性で特異的に結合すること、またGFRALがGDF15による刺激に応じて細胞内シグナル伝達を引き起こすのには共受容体であるRETとの結合が必要であることを明らかにする。また、GDF15が肥満マウスで引き起こす食餌摂取量および体重の減少は、GFRALノックアウトマウスでは見られないことが分かった。さらに、GFRALの発現は後脳ニューロンに限られていて、末梢組織には存在しなかったので、GDF15–GFRALによる摂食の調節は中枢神経系を介する機構によっていると考えられる。また、GDF15を投与された肥満マウスでGDF15はエネルギー消費を増大させなかったことからすると、サイトカインGDF15の抗肥満作用は主に摂食量の減少によるものと考えられる。

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