Article

肥満:ウィザフェリンAは、マウスで強力な抗糖尿病特性を示すレプチン感作物質である

Nature Medicine 22, 9 doi: 10.1038/nm.4145

肥満および肥満関連疾患の世界的な増加は、健康的な体重減少を誘導する新規で効果的な治療方法の開発が早急に必要であることを示している。肥満は高レプチン血症と中枢性レプチン耐性を特徴とする。レプチン耐性を解消して体重減少を促進できる化合物を見つけ出す目的で、我々はmRNA発現プロファイルがセラストール(celastrol)と類似している低分子物質ライブラリーの解析を行った。セラストールは、以前に我々がレプチン感作物資であることを明らかにした天然化合物である。この解析によって、また別の天然化合物ウィザフェリンA(withaferin A)がやはりレプチン感作物質として作用することが明らかになった。食餌性肥満(DIO)マウスにウィザフェリンAを投与すると、体重が20〜25%減少し、同時に脂肪肝などの肥満に関連した異常が軽減した。ともにレプチンシグナル伝達を欠損しているob/obマウスおよび db/dbマウスでは、ウィザフェリンA投与は体重にわずかな影響しか及ぼさなかった。さらに、ウィザフェリンAはセラストロールとは異なり、グルコース代謝に対しても有益な影響を及ぼし、この影響はレプチン感作効果とは無関係に起こった。今回の結果は、DIOが原因の代謝異常は動物を内在性のレプチンに感受性にすることで軽減される可能性を明らかにしており、またウィザフェリンAが抗糖尿病効果も備えたレプチン感作物質である可能性を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度