Brief Communication

微生物学:帝王切開で生まれた乳児の微生物相の膣内微生物移入による部分的回復

Nature Medicine 22, 3 doi: 10.1038/nm.4039

帝王切開分娩では、新生児は母親の膣内微生物相に曝露されることがない。帝王切開分娩で出生した新生児は、経膣分娩児とは異なる微生物相を獲得し、そして帝王切開分娩は免疫疾患や代謝疾患のリスク上昇と関連づけられてきた。今回我々は、帝王切開分娩児を出生時に母親の膣液に曝露させる予備実験を行った。このような処置を受けた新生児の腸内、口腔内、皮膚の細菌群集は、経膣分娩児と同様に、生後30日間は膣内細菌が優勢で(このような膣内細菌は帝王切開分娩後に膣液に曝露されなかった新生児では非常に少なかった)、経膣分娩児の微生物相に対する類似性は肛門内試料よりも口腔内および皮膚の試料の方が高かった。帝王切開分娩児で見られた微生物相の回復が健康状態に与える長期的結果はまだ分かっていないが、今回の結果は帝王切開分娩児でも出生時に膣内微生物相の部分的回復が可能であることを実証している。

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