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免疫:インフラマソーム活性化のin vivo画像化により明らかになった、辺縁洞マクロファージ・バースト応答による自然免疫および適応免疫の誘導

Nature Medicine 22, 1 doi: 10.1038/nm.4016

インフラマソームはさまざまな病原体に応答して活性化され、適応免疫を形作る上で重要な役割を担っている。しかし、in vivoでのインフラマソーム活性化の時空間的調整や活性化が効果的な免疫応答を促進させる機序については十分に解明されていない。我々は、インフラマソーム形成を可視化するためのin vivoレポーターを使って、局所ウイルス感染に対するインフラマソームの応答の分布や動態、伝播について明らかにした。改変ワクシニアアンカラウイルスは、リンパ節辺縁洞(SCS)マクロファージでインフラマソーム活性化を誘導し、それに続いて細胞死とタンパク質複合体ASCスペックの細胞外放出が速やかに起こることが分かった。リンパ節で生じるこの一過性のインフラマソームシグナル伝達によって、炎症性細胞の活発な移入と循環血中からのT細胞の動員が起こり、T細胞応答の規模が拡大する。感染後のSCSマクロファージはインフラマソーム活性のバースト応答と細胞死を起こし、それがT細胞応答の拡大につながると我々は考えており、今回の結果はインフラマソームが働くワクチン接種戦略の重要な性質を明らかにしている。

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