Between Bedside and Bench

腫瘍の不均一性は事態を面倒にするが、解明の手掛かりにもなる:関わり合いを評価する

Nature Medicine 20, 4 doi: 10.1038/nm.3522

がんが生得的に持ついくつかの生物学的特徴の中には、研究者や臨床医にとっていまだに不可解なものがある。腫瘍塊の不均一性は、古くから知られている概念の1つだが、最近では、これは不可解な因子であると同時に、腫瘍の脆弱性の理解を進めるために利用すべき性質であると考えられるようになってきた。研究手法を改善して、こうした不均一性という特徴が何を意味するのかを確定し、解明することは、得られた知見を治療法の開発や、薬剤反応バイオマーカーの確認、さらに患者の層別化に転用していくのに必要である。BEDSIDE TO BENCHではM KleppeとR L Levineが、この分野の進展に役立った最近のがん臨床試験に注目し、治療応答性や腫瘍プログレッションの予測に腫瘍の不均一性が持つ役割についての主な疑問について論じている。彼らはさらに、腫瘍を構成する多様な実体の間の相互作用や、腫瘍の全体としての悪性度へのそれらの寄与の関連性にも注目している。BENCH TO BEDSIDEではK Polyakが、乳がんで内分泌療法薬に対する耐性を付与する特異的変異を明らかにした研究や、腫瘍の「進化」と構造に関する新たな知見を付け加えることになった研究を詳しく検討し、こうした情報が投薬計画の実行にどう利用できるかを論じている。

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