Technical Report

画像化法:ヌクレアーゼで活性化されるプローブを用いた、黄色ブドウ球菌感染の非侵襲的画像化

Nature Medicine 20, 3 doi: 10.1038/nm.3460

生きている動物で細菌感染を迅速に検出し、感染部位を特定できる技術があれば、感染症診断でまだ解決されていない問題の1つに対処できると考えられる。本論文では、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の分泌型ヌクレアーゼであるミクロコッカスヌクレアーゼ(MN)の活性を利用して、この菌を特異的かつ非侵襲的に検出するための分子画像化法について述べる。多様な化学的修飾によって哺乳類血清ヌクレアーゼに対する抵抗性を持たせ、さらに蛍光発光団と消光団を連結した数種類の短鎖合成オリゴヌクレオチドは、精製MNによる分解を受けて活性化し、また、黄色ブドウ球菌培養上清内でも活性化した。複数の2′-O-メチル-修飾ヌクレオチドを連結した1対のデオキシチミジンからなるプローブは、黄色ブドウ球菌の培養上清で活性化されたが、他の数種類の病原性細菌の培養上清では活性化されなかった。黄色ブドウ球菌が筋に感染したマウスに、このプローブを全身投与すると、MNに依存する形で感染部位でのプローブ活性化が起こった。この新しい細菌画像化法は、黄色ブドウ球菌などの複数の医療的に重要な病原体の感染に対する臨床治療に使える可能性がある。

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