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がん:薬理学的プロファイリングおよびゲノムプロファイリングにより明らかになった、マントル細胞リンパ腫でのNF-κBを標的とする治療戦略

Nature Medicine 20, 1 doi: 10.1038/nm.3435

マントル細胞リンパ腫(MCL)は侵襲性の悪性腫瘍で、予後不良が特徴である。100種類以上の血液系細胞株モデルでの大規模な薬理学的プロファイリングによって、B細胞受容体(BCR)シグナル伝達阻害剤のイブルチニブとソトラスタウリンに対して強い感受性を示すMCL細胞株群が見つかった。感受性MCLモデルでは古典的NF-κB経路のBCRによる慢性的な活性化が見られたのに対して、非感受性細胞株では非古典的NF-κB経路の活性化が見られた。トランスクリプトーム塩基配列解読によってイブルチニブ非感受性細胞株では非古典的NF-κB経路シグナル伝達構成因子に遺伝学的損傷があることが明らかになり、MCL患者由来の165標本の塩基配列解読では、患者の15%でTRAF2BIRC3に反復変異が起きていることが分かった。これらはイブルチニブに対する非感受性と関連しているが、非古典的NF-κB経路の損傷はin vitroおよびin vivoでプロテインキナーゼNIK(別名mitogen-activated protein 3 kinase 14:MAP3K14)への依存性を生じるものだった。したがって、NIKはMCL、特にBCR経路阻害剤に対して抵抗性を示すリンパ腫での新たな治療標的となる。これらの知見は、MCLにおけるBCR—NF-κB経路とNIK—NF-κB経路が、互いに両立しえない活性化パターンを示すことを明らかにし、NF-κB経路を標的とする薬剤に対する患者の層別化戦略について、非常に重要な手がかりをもたらす。

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