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動脈硬化:アテローム性動脈硬化病変部でのマクロファージ集積では局所での増殖が優位を占める

Nature Medicine 19, 9 doi: 10.1038/nm.3258

アテローム発生を促進するような炎症応答の際には、拡張する動脈壁にマクロファージが徐々に集積する。病変部のマクロファージが循環中の単球から生じるという観察は、単球の浸潤がマクロファージ集積に影響するという考え方を説得力のあるものにしている。しかし、最近の研究で、マクロファージ集積は、炎症の状況によっては単球動員に依存しないことが示された。そこで我々は、アテローム性動脈硬化におけるマクロファージ集積の基盤となる機構を再検討した。マウスのアテローム性動脈硬化病変部では、マクロファージの回転が速く、4週間後に入れ替わることがわかった。このような実験的アテローム形成部でのマクロファージの補充は、単球の流入ではなく、局所でのマクロファージの増殖に主に依存していた。アテローム微小環境は、スカベンジャー受容体Aの関与を介して、マクロファージの増殖を調整している。我々の研究は、マクロファージの増殖がアテローム性動脈硬化での重要な事象であることを明らかにし、また、マクロファージの自己複製が心血管疾患の治療標的になることを示している。N&V p. 1094

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