Perspective

幹細胞:臨床での多能性幹細胞治療に対する障害となる発がん性

Nature Medicine 19, 8 doi: 10.1038/nm.3267

ヒト多能性幹細胞(PSC)は、無限の自己複製能と分化多能性を持つことから、細胞療法の最有力候補となっている。このような評価を得ているPSCは、ジェロン社による脊髄損傷治療、またアドバンスド・セル・テクノロジー社や理化学研究所神戸研究所発生・再生科学総合研究センターによって黄斑変性治療の目的で最近行われた、ヒトで最初のPSC臨床試験に使用されている。治療上の有望性にもかかわらず、PSCの臨床での使用を大きく妨げているのは、ヒトPSCがin vivoで腫瘍を形成する可能性を持つことである。本稿では、ヒトPSCを用いる治療に伴う発がん性リスクの基礎となる機構を概観し、このような難問への対処における最新の進歩について論じる。

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