Review

C型肝炎ウイルスのライフサイクルの解明は有効性の高い治療への道を開く

Nature Medicine 19, 7 doi: 10.1038/nm.3248

C型肝炎ウイルス(HCV)には、世界の人口の2%が慢性感染している。20年以上にわたる集中的な研究によってこのウイルスの詳細が明らかにされ、こうした努力によって、致命的となりかねない肝疾患から患者を救う抗ウイルス化合物開発への道が開かれた。そして、2種のウイルスプロテアーゼ阻害剤が最近認可され、ペグ化インターフェロンαおよびリバビリンと組み合わせて使われるようになり、HCV治療の新時代が到来したが、これはほんの始まりにすぎない。標的がそれぞれ異なっている多様なクラスの抗ウイルス薬については、有効性の高い併用療法が期待される。そして、インターフェロンを使わず、治療期間が短くて副作用のもっと少ない方式が、将来の治療となる。現在進行中の、あるいは今後行われる臨床試験によって、抗ウイルス薬の最良の組み合わせが決定されると考えられ、さらに現在の豊富にみえるパイプラインが、HCVの多様性、ウイルスの耐性、 宿主が持つ遺伝的性質の影響や進行した肝疾患やその他の合併症なといった難問に直面している全ての患者に有効な治療を提供するのに十分であるかどうかも明らかになるだろう。

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