Editorial

びっくりする値段

Nature Medicine 19, 6 doi: 10.1038/nm.3244

最近Bloodに掲載された、慢性骨髄性白血病に対する抗がん剤の価格が高すぎるという腫瘍学研究者たちの非難は、この問題について臨床医と製薬企業の間の論争を引き起こすことになった。ここ数年間に市場に登場した抗がん剤の値段は上昇の一途で、薬価はいったいどのような仕組みで決められているのかと追求する声が上がり、それに対して製薬企業はさまざまな理由を挙げて正当化に努めている。しかし、サノフィ社が発売した大腸がんの治療薬であるアフリベルセプトは、既存薬の有効性と比べて高価過ぎるという理由で、スローン・ケタリング記念がんセンターが使用を拒否すると、発売数か月で薬価が半分に値下がりした。こうした例は、抗がん剤の評価を個々に行うのを止めて、価値と開発費用の問題を幅広く評価する体系的なものに変えていく必要性をはっきりと示している。

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