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炎症:炎症性単球は急性胃腸感染の際に常在細菌に対する病的な反応を調節する

Nature Medicine 19, 6 doi: 10.1038/nm.3189

常在する共生細菌叢は、病原体に対する免疫と粘膜炎症の両方を促進しうる。常在菌によって誘導される炎症が、感染状況下で調節される仕組みについては、ほとんど理解されていない。本論文では、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)によるマウスの急性粘膜感染の際に、炎症性単球が脂質メディエーターであるプロスタグランジンE2(PGE2)の産生に関連する組織特異的調節表現型を獲得することを示す。特に、常在菌に対する反応においては、炎症性単球はPGE2依存的に好中球の活性化を直接阻害できる。また、炎症性単球が存在しない場合、マウスは病原体投与に反応して好中球を介して起こる重篤な症状を発症するが、この病態はPGE2類似体の投与によって抑制できる。PGE2の阻害が好中球の活性化を促進し、感染後の宿主の死亡率を高めたことは、これらの所見を補足するものである。今回の結果は、炎症性単球が、病原体の増殖を制御する一方で、常在菌による腸管への傷害を抑えるという、これまで知られていなかった二重の作用を果たしていることを実証している。まとめると我々の結果は、病原体による炎症の際の宿主と常在細菌との相互作用の制御には、常在菌が駆動する調節ループが必要で、その中心が炎症性単球に由来するPGE2であることを示している。

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