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ダウン症候群:SNX27の欠損は、ダウン症候群でグルタミン酸受容体の回収を変化させることにより興奮性シナプス機能障害を引き起こす

Nature Medicine 19, 4 doi: 10.1038/nm.3117

SNX27(sorting nexin 27)は、脳に多く存在するPDZドメインタンパク質であり、エンドサイトーシスの際のソーティングと輸送を調節している。本論文では、Snx27−/−マウスは海馬と皮質で重篤な神経欠落が起っていることを示す。Snx27+/−マウスは、神経解剖学的特徴はおおむね正常だが、シナプス機能、学習、記憶に欠陥があり、イオンチャネル型グルタミン酸受容体(NMDAおよびAMPA受容体)の量が減少している。SNX27はそのPDZドメインを介してこれらの受容体と結合し、受容体の細胞膜への回収を調節する。ダウン症候群の脳では、SNX27とC/EBPβ(CCAAT/enhancer binding protein β)の発現が同時に低下していることがわかり、またC/EBPβがSNX27の転写因子であることが明らかになった。ダウン症候群では、miR-155の過剰発現が引き起こされる。miR-155は21番染色体にコードされるマイクロRNAで、C/EBPβを負に調節することでSNX27の発現を低下させ、その結果シナプス機能不全が起こる。ダウン症候群マウスの海馬でSNX27の発現を増加させると、シナプス障害と認知障害が改善される。SNX27がシナプス機能に果たす役割を突き止めた我々の結果は、ダウン症候群発病の新規な分子機構を立証している

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