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ウイルス感染:ニューロンのサブタイプごとに異なる自然免疫応答プログラムが脳におけるプラス鎖RNAウイルスへの感染性を決める

Nature Medicine 19, 4 doi: 10.1038/nm.3108

脳内ニューロンの微生物感染に対する感受性は治療成績を決める主要因だが、このような脆弱性を制御する分子的要因についてはほとんどわかっていない。本研究では、異なる脳領域に由来する2種のニューロンでは、複数のプラス鎖RNAウイルスの複製に対する許容度が異なることを明らかにする。小脳の顆粒細胞ニューロンと大脳皮質の皮質ニューロンは、それぞれ固有の自然免疫プログラムを持ち、そのためにex vivoおよびin vivoでのウイルス感染に対して異なる感受性を示す。顆粒細胞ニューロンでより高度に発現している遺伝子を皮質ニューロンに導入することで、多様な向神経性ウイルスに対する抗ウイルス作用を仲介するインターフェロン誘導性遺伝子(ISG)としてIfi27、Irg1およびRsad2(別名Viperin)の3つが見つかった。さらに、ISGのエピジェネティックな状態とマイクロRNA(miRNA)を介した調節が、顆粒細胞ニューロンにおける高い抗ウイルス応答と関連することが見いだされた。つまり、進化的に異なる脳領域のニューロンは固有の自然免疫特性を持ち、おそらくこれが感染に対する相対的な許容性に関与している。

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