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肥満:プロテインキナーゼTBK1およびIKK-εの阻害剤はマウスで肥満関連代謝異常を改善する

Nature Medicine 19, 3 doi: 10.1038/nm.3082

炎症が肥満とインスリン抵抗性とを結びつけていることを示唆する新たな証拠は増えつつある。非典型的IκBキナーゼであるIKK-εとTANK結合キナーゼ1(TBK1)は、高脂肪食摂取の際のNF-κB 活性化によって肝臓と脂肪で誘導され、次いで抗炎症プログラムを開始してエネルギー貯蔵を持続させる。本研究では、現在はアフタ性潰瘍やぜんそくの治療に臨床で使われている認可済みの小分子治療薬アンレキサノクスが、これらのキナーゼの阻害剤であることを報告する。アンレキサノクスを投与された肥満マウスでは、熱産生が増大してエネルギー消費が増え、体重減少やインスリン感受性の改善、脂肪症の軽減がみられる。アンレキサノクスは患者での安全性の実績があるため、肥満や肥満関連疾患の治療における臨床評価候補薬として関心を集めると考えられる。

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