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がん:強力で選択的なBCL-2阻害剤ABT-199は抗腫瘍活性を持ちながら、血小板には損傷を与えない

Nature Medicine 19, 2 doi: 10.1038/nm.3048

BCL-2(B cell CLL/lymphoma 2)ファミリーのタンパク質はアポトーシス過程の重要な調節因子である。BCL-2ファミリーには、細胞のアポトーシスを促進するタンパク質と生存を促進するタンパク質が含まれ、そのバランスを生存促進へとずらすことが、がん細胞のアポトーシス回避機構となっていることが確証されている。生存促進性タンパク質の直接阻害が治療に有効である可能性は、BCL-2およびBCL-XL(BCL-2−like 1)に対する選択的阻害剤であるナビトクラックスの開発で明らかにされた。ナビトクラックスは、BCL-2依存性血液がんの一部で臨床的有効性が明らかになっている。しかし、BCL-XLの阻害によってオンターゲット効果として同時に生じる血小板減少症が、ナビトクラックスで達成可能な有効性を制限している。我々はナビトクラックスの再構築を行い、非常に強力で経口投与により利用可能なBCL-2選択的阻害剤ABT-199を作製した。この化合物は、in vivoでBCL-2依存性腫瘍の増殖を阻害し、ヒト血小板には損傷を与えない。難治性慢性リンパ性白血病患者3人にABT-199を単回投与したところ、24時間以内に腫瘍融解が起こった。これらのデータは、BCL-2の選択的な薬理学的阻害がBCL-2依存性血液がんの治療に有望であることを示している。

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