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がん:早期の腫瘍再発を自然免疫エフェクターへの耐性によって検出し標的化する

Nature Medicine 19, 12 doi: 10.1038/nm.3397

腫瘍再発は臨床上の重大な難問である。我々が得たデータは、新たに生じた再発腫瘍は起源である原発腫瘍とは大きく異なる表現型を獲得していることを示している。再発腫瘍はこの表現型のために、微小残存病変(MRD)から活発に増殖する再発腫瘍へのプログレッションによって誘発された宿主自然免疫応答を回避できるようになる。この自然免疫応答についてスクリーニングを行うことにより、どのマウスで再発が起こるかが正確に予測された。再発が尚早に誘導されると、MRDの一次治療に対する感受性が再度高まる。このことは、休眠状態の疾患の臨床治療について考えられるパラダイムシフト、つまり現在使用が予想される手法を、免疫逃避表現型への進化が完了する前にMRDを検出する積極的なやり方に変えるという手法の転換を示唆している。スクリーニングと、自然免疫に対する非感受性を標的とした第二選択療法を組み合わせることにより、こうした方法を採らなかった場合には再発の起こるマウスで、最大で100%が治癒した。以上の結果は、腫瘍の種類や最前線の治療法とは関係なく、腫瘍再発の早期発見と適切なタイミングでの高度に標的化した治療のための新たな道を開く可能性がある。

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