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血友病:F8遺伝子座イントロン22逆位からの内因的第VIII因子産生は血友病Aに対する補充療法の免疫原性を調節する可能性がある

Nature Medicine 19, 10 doi: 10.1038/nm.3270

補充された血液凝固第VIII因子(血漿由来と組換え型のいずれについてもFVIIIとする)に対する中和抗体(インヒビター)は、血友病Aの有効な管理を妨げる。FVIII遺伝子(F8)の大規模な欠失に起因する血友病Aの患者は、血漿中に抗原となる交差反応物質(cross-reactive material:CRM)を持たず(CRM陰性)、このような患者でのインヒビター保有率は90%に及ぶ可能性がある。これとは逆に、F8のミスセンス変異に起因する血友病Aの患者はCRM陽性であり、インヒビターの全体的な保有率は10%以下である。F8イントロン22逆位を持つ患者(重度の血友病A患者のほぼ50%で見られる)は、その遺伝子に欠失が生じていることやCRM陰性であることに基づいて、前者に分類されている。しかし、このような患者でインヒビターが生じるのは、わずか20%程度である。本研究では、イントロン22逆位を持つ患者のBリンパ芽球様細胞や肝臓生検におけるF8 mRNAおよび細胞内FVIIIタンパク質のレベルが、健常対照群のそれと同程度であることを示す。この結果は、イントロン22逆位を持つ患者の大半はFVIIIに対して寛容化されているために、インヒビターが作られないとする仮説を裏付けている。さらに、我々は新たな遺伝薬理学的アルゴリズムを開発した。これは注入したタンパク質内のT細胞エピトープ候補の数と、このようなエピトープを提示する主要組織適合遺伝子複合体II分子の提示能力を入力として用い、補充するFVIIIの免疫原性を予測することで、個々の患者や部分集団におけるインヒビターリスクの層別化を可能にする。このアルゴリズムは、イントロン22逆位を持つ25人の非血縁患者におけるインヒビター存在の予測で、統計的に有意な正確さを示した。

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