Technical Report

ペプチド解析:抗体エピトープおよび多様なタンパク質間相互作用の高分解能マッピングのためのon silicoペプチドマイクロアレイ

Nature Medicine 18, 9 doi: 10.1038/nm.2913

我々は、即時的ポイント・オブ・ケア(POC)の基盤技術開発の可能性も含めた幅広い生物学的応用のために、シリコンベースの新しいペプチドアレイを開発した。シリコンウエハー上で光リソグラフィーを使って、ヒトヒストンH2BのN末端尾部をカバーする直鎖状のタンパク質アミノ酸配列の中に存在すると考えられるすべてのオーバーラップペプチドを含むマイクロアレイ(Intelアレイと命名)を作製した。これらのアレイは、H2Bの翻訳後修飾を反映するアセチル化リシン残基およびメチル化リシン残基を持つペプチドも含んでいる。我々は、修飾されたH2Bペプチドと修飾されていないH2Bペプチドを認識する市販抗体について、最小限の結合エピトープを明らかにした。さらに、この基盤技術が、メチルトランスフェラーゼやキナーゼの基質の高感度の特徴解析にも適していることがわかった。このIntelアレイによって、重症度の高い全身性エリテマトーデス患者の自己抗体に認識される特異的H2Bエピトープも明らかになった。蛍光を使わない新しい検出法と基本的な集積回路とを組み合わせることで、生物科学、薬剤開発や臨床診断に応用できる、真の変革をもたらすプロテオミクス基盤技術を作り出す態勢が整ったといえる。

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