Community Corner

COMMUNITY CORNER:HIVワクチンの作用機序を探る

Nature Medicine 18, 7 doi: 10.1038/nm.2858

HIVとの戦いに使える抗レトロウイルス薬はすでに存在するが、命取りのこのウイルスの拡散を抑えるには、有効なワクチンの開発が必要だと考えられている。2009年に、HIV-1免疫原を発現するカナリア痘ウイルスベクターと、組換え型のHIV-1エンベロープタンパク質との組み合わせからなるワクチン(RV144)の第3相臨床試験から得られた結果は、かなりの希望をもたらした。このワクチンは、タイ人集団でHIV-1感染に対して中程度の予防効果(31.2%)を示したからである。B Haynesたちは今回、このワクチンで得られた予防効果の免疫関連要因を調べるために、患者対照解析を行った。この解析から、HIV-1エンベロープ(Env)糖タンパク質120の可変領域1および2へのIgG抗体の結合が、HIV-1感染率と逆相関しており、Envへの血漿IgA抗体の結合は感染率と直接的に相関していることがわかった。これらの結果が、HIVに対する免疫が仲介する防御の理解にどのように影響するのか、また、HIVウイルスに対する今後のワクチン戦略の設計にどのように役立つのか、3人の専門家に意見を聞いた。

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