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腸疾患:神経細胞のP2X7受容体−パネキシン1の
活性化は腸炎の際の腸管神経細胞死を引き
起こす

Nature Medicine 18, 4 doi: 10.1038/nm.2679

炎症性腸疾患(IBD)は、腸管神経系の異常や腸管神経細胞の消失の結果として生じた長期の腸機能不全と関連する、慢性的に再発−寛解を繰り返す病気である。炎症が腸管神経細胞死を誘発する機序は不明である。今回我々は、実験的腸炎のin vivoモデルを用いて、P2X7受容体(P2X7R)、パネキシン1(Panx1)チャネル、Ascアダプタータンパク質およびカスパーゼからなる神経細胞シグナル伝達複合体の炎症による活性化が原因で腸管神経細胞死が引き起こされることを示す。P2X7R、Panx1、Asc、あるいはカスパーゼの活性を阻害すると、炎症が誘発する神経細胞死が防止された。in vivoでPanx1阻害により腸管神経細胞を保護すると、炎症誘発性の大腸運動機能不全の発症が防がれた。Panx1発現はクローン病では低下していたが、潰瘍性大腸炎では低下が見られなかった。我々は、神経細胞のPanx1の活性化がIBDでの神経細胞死とこれに続く異常な腸管運動発症の原因であると考える。Panx1を標的とすることは、IBDで見られる腸管運動障害の進行を抑える新たな神経保護戦略となる。

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