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ハンセン病:NOD2はハンセン病でインターロイキン32に依存するヒト樹状細胞プログラムを誘導する

Nature Medicine 18, 4 doi: 10.1038/nm.2650

自然免疫系は、単一の微生物病原体が持つ多様なリガンドを複数のパターン認識受容体を介して認識するが、これによって共通の経路が誘導されるのか、それとも特定の宿主応答が個別に引き起こされるのかは明らかになっていない。ヒトのマイコバクテリア感染であるハンセン病では、リガンドであるムラミルジペプチドによる、NOD2 (nucleotide-binding oligomerization domain-containing protein 2)
を介した単球の活性化が、トリアシル化リポペプチドによるToll様受容体2および1(TLR2/1)のヘテロ二量体を介した活性化と比べると、樹状細胞(DC)への分化を選択的に誘導し、これは以前には知られていなかったインターロイキン32 (IL-32)依存的機序によっていることを、我々は見いだした。特に、IL-32はそれだけで単球を速やかにDCへと分化させることが可能で、こうしたDCは、主要組織適合複合体クラスI拘束性CD8+細胞への抗原提示に関して、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)で誘導したDCよりも効率がよかった。ハンセン病感染部位におけるNOD2およびIL-32の発現とCD1b+DCの存在頻度は臨床症状と相関しており、進行性の場合よりも限局性の場合のほうが多かった。組み換え型IL-32の投与により、進行性ハンセン病の患者でNOD2誘導性DC分化が回復した。まとめると、NOD2リガンド誘導性のIL-32に依存するDC分化経路は、ヒトの微生物感染に対する宿主防御の重要かつ特異的機序にかかわっている。

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