Brief Communication

心疾患:ドキソルビシンが誘発する心臓毒性の分子基盤を明らかにする

Nature Medicine 18, 11 doi: 10.1038/nm.2919

ドキソルビシンは、酸化還元サイクリングおよび活性酸素種(ROS)の産生を介して用量依存的に心臓毒性を引き起こすと考えられている。今回我々は、トポイソメラーゼIIβをコードするTop2bを心筋細胞特異的に欠失させると、ドキソルビシン誘導性のDNA二本鎖切断と、ミトコンドリア生合成異常やROS産生の原因となるトランスクリプトーム変化が起こりにくくなることを示す。さらに、Top2bの心筋細胞特異的欠失は、ドキソルビシンが誘発する進行性の心不全の発症からマウスを保護することから、ドキソルビシンが誘発する心臓毒性は心筋細胞のトポイソメラーゼIIβを介していると考えられる。

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